加齢とともに現れる加齢性白内障と、若い人にも現れるアトピー性白内障
白内障は、加齢に伴って発生するものが多く、80歳代になると99%の人が白内障になります。
一方で、20代~30代で白内障になる方もいます。
白内障がどういうものか?ということはこちらに書きました。
⇒白内障ってどんなもの?
しかし、前者と後者では、同じ白内障でも発生の過程が違っていて、自覚症状の現れ方に違いがあるんです。
加齢性白内障の場合
加齢が原因で起こる加齢性白内障は、右の図のように濁りがだんだんと水晶体の周辺部から起こります。
それから進行するにつれて濁りがだんだんと中央部に及ぶようになります。
初期には自覚症状が少なく、進行するに従ってキリがかかったように見えてきます。
濁りが中央部まで及ぶようになると、視力低下が起こります。
60歳頃からぼやけてきて、70歳頃から新聞の文字が見えなくなってきた、という感じです。
進行してしまうと、メガネをかけても視力は矯正されません。
だんだんと進行してくるので自覚症状が少ない、というのが特徴なので、生活に支障はありません。
健康診断などでも初期の場合は見つかりにくいですが、見つかった場合は適切な方法を相談しましょう。
早い段階なら手術の必要はなく、目薬で進行を抑制する程度で済みます。
アトピー性白内障の場合
白内障には、アトピー性皮膚炎が原因で起こるものもあります。
こちらは加齢性白内障とは違って、初期の段階から瞳孔の中央に濁りが生じることが多く、早い時期から自覚症状が現れることが多いです。
例えば、
運転中、対向車のライトが異常に眩しく感じ、急に周りが見えなくなった・・・
その後、明るい場所で右目が見えにくい状態が続いた・・・
という感じです。
これは明るい場所でそのように感じるのですが、その理由はこちらに書きました。
⇒対向車のライトで異常に眩しく感じ、何も見えなくなる病気とは?
このように、白内障の自覚症状は、水晶体が濁っている部位と程度によって異なってきます。
加齢性の場合は、まだ初期の段階なら目薬で進行を抑制しながら様子見、悪化して来たら手術を行います。
しかし、アトピー性のところで紹介した例のように、運転に支障が出ている場合は危険なので、すぐに手術した方がよいでしょう。
手術は、混濁している水晶体を摘出して、新しい水晶体(眼内レンズ)を入れるという方法がスタンダードです。
詳しくはこちらをご覧ください。
⇒遠近両用白内障手術とは?