レーシックでアベリーノ検査を受ける前に知っておきたいこと
最近レーシック眼科でアベリーノ検査 をしてくれるところが増えてきました。
アベリーノ検査というのは、“アベリーノ角膜症”、又は“アベリノ角膜ジストロフィー”と呼ばれる、遺伝疾患に罹っていないかどうかを調べる事前検査です。
しかし、レーシックを受ける前の検査としてそれが必要かどうか、医師によっても見解がまちまちなのが現状。
「必ず受けるべき」と言う医師もいれば、「無理に行う必要はない」言う医師もいます。
医師でも意見が分かれるところなのに、私達にはどうしたら良いのか判断できませんよね^^;
どうせ受けられるなら受けたら良いのかもしれませんが、どの眼科でも受けられる検査ではないので、それをウリにしている眼科を選ぶかどうかの判断にも繋がってきます。
現状どうするべきか正解はありませんが、せめて自分で考えて判断できるようにはした方が良いでしょう。
まずは、以下のことは知っておいても良いかもしれません。
アベリーノ角膜症とは?
まずはアベリーノ角膜症についての説明です。
アベリーノ角膜症は、角膜に点状の白濁を起こす病気です。
イタリアのアベリーノ地方の方々の遺伝子から発見された遺伝疾患なので、そのような名前がついています。
日本人には、1000人に1人いると言われています。
遺伝疾患ですので、子供の頃から徐々に小さな白濁点が1つ、2つと増えていきます。
角膜の外傷や紫外線また年齢と共に白濁の点が多くなります。
白濁は微細なので、人によっては一目では分からない場合もあり、遺伝子は持っていても発症しない場合もあります。
また、多くの場合は、発症がみられても治療を必要とするものではありませんが、白濁によって徐々に視力が低下する可能性があります(個人差があります)。
そのような症状がアベリーノ角膜症ですが、レーシックと関係するところは、アベリーノ症の遺伝子を持っている方がレーシックを受けると、悪化してしまう可能性を指摘されているということ。
術後にフラップの下に白濁が集積して、視力が悪化してしまうというわけです。
ただし、レーシックのパイオニアでもある錦糸眼科の矢作先生によるとエキシマレーザーによって角膜ジストロフィーが発生したという文献は存在しない
のだそうです。
むしろアベリーノ角膜症は、レーシックでも使うエキシマレーザーを使って治療(PTK治療)しますので、レーシックを受けるならアベリーノ角膜症の有無は関係なくなる、というわけです。
そうなるとレーシックをすることで影響があるのかどうかはわかりません。
現在のところは、レーシックを受けるにあたってアベリーノ検査は、検査を受けるかどうかの選択肢はあるものの、必須ではありません。
実際、アベリーノ症の発症元であるイタリアをはじめとするヨーロッパの眼科では、レーシック前のアベリーノ検査自体存在しませんし、アメリカでも存在しません。
日本を含め、世界中で今までアベリーノ検査なしに多くの方が視力を取り戻しています。
日本の眼科でも、「絶対に必要!」と謳っている眼科でも、受けない選択肢を取ることもできますし、万が一のことを考えて受けることもできます。
レーシックは自由診療ですし、アベリーノ検査もどうするべきかは自分で判断するしかないですね。
医師の診察か?DNA検査か?
仮に検査を受けられるところを選びたいと決めた場合、検査方法も知っておいた方がよいでしょう。
アベリーノ検査は、病院によって医師の診察による検査で行う場合と、それに加え、DNAによる検査まで行う場合があります。
医師による診察だけの場合は、もしアベリーノ症が未発症なら、医師のスキルによっては発見できないことも考えられます。
一方、DNA検査の場合は、発症、未発症に関わらず検査できますので、100%の確率で発見できるようになっています。
なので、きちんと調べたいのなら、DNA検査まで行っている所を選ぶと確実です。
DNAアベリーノ検査は、有名なところでは品川近視クリニックが行っています。
品川近視クリニックでは、アベリーノ検査が必須であるという見解のもと、100%と確実なDNA検査を行っています。
(「必須」とは言うものの、受けないこともできるようです。)
万が一アベリーノ症と判断された場合、これらの医院では手術を断られるか、他の術式を勧められることになります。
検査は無料?有料?
アベリーノ検査を受けるとなると、1万円ほどかかるところがあります。
しかし、それを無料で受けられる眼科もたくさんあります。
ただし、無料だから良いというわけではなく、ここで気をつけたいところがあります。
それは、
「当院で手術を受けられる方は無料」
ということが条件になっている場合です。
その場合、検査費用は保証金として検査時に支払い、後で戻すというシステムにしているところがほとんどです。
特にDNA検査を行う医院はそのパターンですね。
気をつけたいのは、手術を受けない場合は有料になるということです。
レーシックを受けるつもりで行っているので、その心配はないと思ってしまうかもしれませんが、検査の途中で不安になってしまったり、検査で不適合で受けられなくなるというケースも考えられます。
その場合は有料になってしまうわけで、保証金は戻ってきません。
しかも、検査をしたからといって結果を教えてもらえるとは限らないんです。
手術は受けないことに決めたけど、アベリーノ検査の結果だけでも知りたい場合、診察費として5,000円ほどかかることもあるようです。
なんともおかしな話なのですが、全ての医院でそうだとは言えませんので、適応検査を受けて手術が受けられない場合のことも考えて、支払ったお金はどうなるのか、診察結果は教えてもらえるのか確認してから受けるか受けないか考えた方が良いですね。
また、そういうやり方が心配な場合は、遺伝子検査ではなく、診察による検査を実施している医院を選ぶという選択もあります。
事前検査内の医師の診察で無料で行えますし、その結果も教えてもらえます。
「神戸神奈川アイクリニック」 、「SBC新宿近視クリニック」 などがそのようになっています。
これらの眼科は、医師のスキルも高いですから、検査の確実性も期待できます。
もしアベリーノ症が見つかった場合でも、PTK治療でアベリーノ症の治療も行えるようです。
アベリーノ検査を受けるべきかどうかは、医師によっても見解が分かれているので、私達には何とも言えない微妙な位置に立たされています。
しかし、最後は自己責任です。
どこまで安全を考慮するかよく検討した上で、自分にとって最適と思われる眼科を選びましょう。