マイクロケラトームとは?
マイクロケラトームは、レーシック手術を行う時に、フラップを作るための機器です。
カンナのようになっている電動式の金属刃で、下の図のように、眼球の上を往復させて物理的にフラップを作ります。
マイクロケラトームを使ったレーシックはスタンダードなレーシックではありますが、今はこのような物理的なやり方は古くなってきています。
今はコンピューターで制御できるイントラレーザーという機器を使い、レーザーでフラップを作るイントラレーシックというやり方が主流になっているのです。
しかし現在でも、クリニックによってはマイクロケラトームを使っている場合もありますし、イントラレーザーを扱っているクリニックでも、安価な価格でマイクロケラトームを使った術式を提供している場合もあります。
医師の熟練度によって仕上がりが左右されやすい
マイクロケラトームは、それを使用する医師の熟練度によってフラップの出来が左右するという欠点があります。
眼球の上を往復することでフラップ面に傷がつきやすいのです。
なので医師の腕が未熟だと、フラップが取れたり、位置がずれたりといったことが起こる可能性もあります。
そして夜間のコントラストの低下や、ハロ(光輪症)という、光を見た時に輪が生じる現象が起こりやすくなります。
マイクロケラトームとイントラレーザーでは、作成するフラップの暑さにも大きな違いがでます。
フラップはできるだけ薄い方が良いのですが、マイクロケラトームで、作成されるフラップは160μmという厚さ。
それに対し、イントラレーザーは100μmとなっています。
重度の近視になるほどより深く角膜を除去しなければなりませんから、フラップに60μmも多く取られてしまっては、矯正できる角膜がなくなってしまいます。
そのため重度の近視で基準に満たない場合は、マイクロケラトームを使用したレーシックは受けられなくなります。
また、160μmとは言っても、フラップの全体を同じ厚さで作れるわけではありません。
角膜の形状の違いや、往復運動させて作るという作り方たのめに、フラップの厚さに誤差ができます。
フラップにシワやズレが起こることでも見え方に違いが出てきますので、誤差が少ないことは非常に重要です。
マイクロケラトームは旧型の機械なので、イントラレーザーと比べてマイナス面ばかりが見えてしまいますが、マイクロケラトームを使った手術の症例数は多く、スタンダードなレーシックです。
失敗すると危険ですが、失敗率は症例数と共に医師の熟練度が増し、危険度も少なくなってきています。
しかし、たとえ腕の良い医師であってもその日のコンディションなどで左右する可能性もある機器でもあります。
それに対し、イントラレーザーはコンピューター制御で行いますので、より誤差が小さく、安定したフラップを作ることができます。
医師の熟練度の影響も受けません。
なのでできればイントラレーザーを使っている術式を選びたいところですね。
マイクロケラトームを使ったレーシックは価格が安く設定されています。
値段の安さについつい選んでしまいそうになりますが、手術を受けるなら、値段は高くてもより信頼性のあるイントラレーザーを使った術式で手術を受けることをお勧めします^^
値段だけで決めてしまう前に、機器は何を使っているのかもチェックしてみましょう。
どういう機器を使っているのかわかりやすく説明しているかどうかも、クリニックを選ぶポイントの1つに挙げても良いと思います。
レーシックは自由診療ですので、
「何を使っているかわからないけど、医師任せにしておけば大丈夫」
という姿勢は良くありません。
納得したうえで受けましょう。