レーシックの治療法
レーシックは、レーザーを用いて角膜を削って屈折率を調整することで、視力を矯正する手術です。
よく”視力回復”と言われていますが、厳密に言えば回復しているのではなく、矯正しているのです。
なので、よく強度近視の方は眼病になるリスクが高いと言われているのですが、そのリスクはたとえレーシックで視力が良くなっても、目の構造上は近視の状態のままなのでリスクが下がるわけではありません。
レーシックは、いくつかある視力矯正手術の一つで、今ではレーシックよりもさらに技術を進歩させ、安全性を高めたイントラレーシックの方が主流になっています。
レーシックは、”○○レーシック”と名前がついているものがたくさんありますが、基本的な流れは、
- フラップ(ふた)を作る
- レーザーを照射する
となっています。
あとは使用する機器の名前で違ったり、多少の手法の違いで名前が違うだけです。
基本的なことを知るには目の構造の理解が必要ですので、目の構造の説明と、従来からある基本的なレーシックがどのようにして行われるのかを説明します。
目の構造
まずは目の構造です。
目の表面にある角膜は、目に入ってくる光を強く曲げ、目の奥にある視神経にその映像を届けます。
その時に、光の焦点が網膜の方で一致しないと、近視や遠視といった、目の屈折異常を起こすのです。
そのためにレーシックでは、角膜を削ることで目に入る光の角度を調節し、視力を矯正していきます。
ただし、角膜は5層のレイヤー構成になっています。
外側から
- 角膜上皮層(再生可)
- ボーマン膜(再生不可)
- 角膜実質層(再生不可)
- デスメ膜(再生可)
- 角膜内皮層(再生不可)
となっています。
一番外側の角膜上皮層は再生する角膜ですので、レーザーを当てて削っても、すぐに再生して、元の近視や乱視に戻ってしまいますよね^^;
なのでまずは角膜上皮層に切れ目を入れてフタ(フラップ)を作り、開いた所にあるボーマン膜や角膜実質層にレーザーを照射していきます。
ボーマン膜は非常に薄い膜なので、角膜実質層まで削るんです。
レーシックの手順
フラップを作るには、マイクロケラトームという機器を使います。
マイクロケラトームは、カンナのような役割を担う金属製の精密機器で、金属ブレードを往復運動させて角膜上皮を切り進み、薄くめくります。
薄くめくった部分はフラップと呼び、完全に切り離すものではなく、一部繋げておきます。
次に、角膜実質層削るにはエキシマレーザーというレーザー機器を使います。
レーザーを照射して角膜実質層を削った後、フラップを閉じます。
手術はこれで終わりです^^
事前の検査などは慎重に行う必要があるので、2~3時間はかかるのですが、レーザーを照射している時間はほんの数秒です。
手術自体はすぐですね^^
フラップはそのうち自然再生して繋がりますので、その間は目への刺激がなるべくないようにすごさなければなりません。
手術の出来を左右する要因
レーシックはこのようにして行われるのですが、術後の視力の良し悪しは主に、フラップの出来の良し悪しに左右されるんです。
なぜなら、エキシマレーザーはコンピューターによるプログラムなのですが、マイクロケラトームは、執刀医が金属ブレードを往復運動させて切り進むからです。
フラップがずれて作成された場合、乱視が発生したり、
ハロやグレアなどの合併症が発生します。
つまりそのリスクは、マイクロケラトームを操る執刀医の技量にかかっているということです。
操作ミスによってフラップ作成に失敗することも考えられます。
さらに、マイクロケラトームは金属製なので、きちんとした衛生管理を行わないと、感染症になるリスクもあります。
そのような面を大幅に改良したのがイントラレーシックで、現在主流になっています。
フラップ作成もレーザーで行い、執刀医の技量に依存することも少なくなり、安全面や衛生面でもかなり向上した技術になっています。