白内障手術 単焦点レンズ・多焦点レンズのメリット・デメリット
白内障手術は、目の中の白濁した水晶体を取り出し、代わりとなる人口のレンズ(眼内レンズ)を埋め込む手術です。
どういう病気か?ということに関してはこちらに書きました。
眼内レンズは、大きく分けて単焦点レンズと多焦点レンズの2種類あります。
正常な目の場合、目のピントは近くを見る時は近くに、遠くを見る時は遠くにと自由に調整しますが、眼内レンズの場合はあらかじめ決められた距離に焦点を合わせることになります。
- 単焦点レンズ:遠距離だけ、中距離だけ、近距離だけ等、どこか1点だけにピントを合わせられる
- 多焦点レンズ:遠距離と近距離、または遠距離と中距離など、2点にピントを合わせられる
です。
ここで、それぞれのレンズのメリット・デメリットを挙げてみましょう。
レンズのメリット・デメリット
単焦点レンズ
単焦点レンズは、以前から行われているスタンダードなレンズです。
【メリット】
メリットは、保険適用だということ。
治療費は3割負担で約4万円程度(片眼)と比較的安く済みますので、受けやすい手術です。
また、白内障治療は日本だけでも年間100万件ほど実施されていて、それだけ症例数を残しているのも安全の証です。
【デメリット】
デメリットは、ピントが一ヶ所にしか合っていないため、それ以外の距離ではぼやけてしまうということ。
レンズのピントを遠くに合わせた場合は中距離や手元がぼやけますので老眼鏡が必要です。
逆に、レンズのピントを手元に合わせた場合は、遠距離や中距離を見る場合はメガネが必要です。
レンズを選ぶ時には、慎重に選ぶ必要がありますね。
多焦点レンズ
多焦点レンズは、1990年ごろから販売されていたレンズで、遠方と近方、両方に焦点を合わせられます。
【メリット】
多焦点レンズのメリットは、やはり遠くも近くも見えるという便利さ。
全くメガネが必要なくなるわけではありませんが、単焦点レンズと比べて圧倒的に必要な頻度が少なくなりますので、生活の質が向上します。
【デメリット】
デメリットは、まだ先進医療の扱いなので、保険適用外ということ。
費用は手術を受ける眼科によります。
また、レンズの特性上、夜間のライトがまぶしく見えたり、二重に見えたり、なんとなくモヤっと見えることがあります(ハロー・グレア)。
このような症状も、多少の個人差や年齢差はあるものの、数ヶ月程度で慣れてきますが、今すぐにでも運転する必要があるドライバーの方や、主に夜に活動することが多い人などには向いていないかもしれません。
レンズに関しては、年々改良・進化しています。
2007年に国内で承認された多焦点眼内レンズは、ハロー・グレアも大幅に軽減されているんです。
なので、もし知り合いの方から口コミなどを聞く場合は、古い情報ではなく、なるべく最近手術を受けた人から聞いた方が良いですね。
また、口コミを参考にする場合でも、メーカーの違いや、視力の個人差によっても違いがありますので、あまり鵜呑みにせず、医師との相談の方を重視しましょう。