多焦点レンズによる白内障手術が受けられるところ
多焦点レンズというのは、遠近両用白内障手術に用いるもので、白内障と老眼を同時に治療する方法です。
多焦点レンズのメリット
従来、白内障治療には「単焦点レンズ」というものを用いていたのですが、どこに焦点を合わせるか?ということを決めてレンズを作っていました。
その場合、
- レンズを近くのものにピントを合わせやすいように作ると、遠くのものが見えにくい
- レンズを遠くのものにピントを合わせやすいように作ると、近くのものが見えにくい
といった欠点があったのです。
普段、どのくらいの距離のものを見るのかは、患者さんそれぞれで、新聞や本を読む人は近く、広い場所での作業やスポーツを楽しまれる方は遠く、といった感じで選ぶしかありませんでした。
しかし、多焦点レンズを用いることで、近くも遠くも見えるようになったのです。
多焦点レンズは50年以上持つことが検証で解っているので、一度手術をすると、ほぼ一生使えると考えてもよいでしょう。
多焦点レンズのデメリット
多焦点レンズをすると、慣れない間は夜の見え方が悪い、といった欠点があります。
ハロやグレアといった、光がぼやける現象が出てくるんですね。
しかし、多くの方は目が慣れてくることで解消されていることが解っています。
なので、慣れるまでは夜の外出は気をつけなければなりません。
遠近両用白内障手術の費用
また、現在多焦点レンズは先進医療に含まれるので、ほぼ自己負担になります。
有名な眼科では2013年1月現在、品川近視クリニックで54.6万円、神戸神奈川アイクリニック
では50万円となっていました。
(※価格は変更される可能性もあるので、詳しくは各眼科のサイトを確認してください)
遠近両用白内障手術の安全性
多焦点レンズを使う為には手術が必要となりますが、やはり心配になるのは安全性。
手術中に眼内レンズが破損してしまう、なんてことも考えられます。
現状、そのような事故はあったのか?というと、1万件に1件の割合くらいであるようです。
0.01%の確率ですね。
他の、内科や外科などの手術と比べると、はるかに高い成功確率ですが、「手術」である以上、100%という夢の数字はつきません。
手術を受けるならば、そのような可能性もないわけではないということは知っておきましょう。